「なんとか楽して背景を描けないかなぁ」
と考える描き手さんは多いはず。
漫画は描く量があまりにも多いので、時間と気力が理想に追いつかないのが現実です。
そこで便利なのがクリスタの写真LT変換。
クリスタに写真を読み込めば、ボタン一つでモノクロ画にしてくれる
とても頼もしい機能です。
ただしクリスタで変換された写真は、そのままではリアルすぎて漫画の画面に合いません。
このページでは写真LT変換したモノクロ画を漫画風に加工する方法をご紹介します。
写真の読み込み方法はこちら
写真LT変換の基本はこちらをご参照ください。
少しの工夫で漫画風に・古城の写真LT変換
使用写真:英国風古城と遺跡
写真素材一覧はこちら
クリスタに写真を読み込み、LT変換の設定画面を開きます。
(レイヤータブ→レイヤーのLT変換)
この写真は手前と奥とで明るさがかなり違います。
そこで2種類のベタ(=トーンワーク100%)を組み合わせて作業します。
まずは手前に焦点を合わせ、1枚目の線画とベタをLT変換します。
次に奥の城に焦点を合わせ、2枚目のベタをLT変換します。
2枚目のベタの不要な部分を切り取ります。
1枚目のベタと2枚目のベタを統合した状態。
奥にも手前にも適度にベタが入っています。
こうすることで、加筆の手間をかなり省くことができます。
自然物を切り取ります。
クリスタでLT変換した自然物は漫画にはあまり合いません。
大胆に削除して描き直すのがポイントです。
全体的にリアルすぎるので「ごみ取り」をします。
不要な線を消し、漫画風のシンプルな画面にしていきます。
ごみ取りフィルターで消えないごみも、消しゴムで消します。
空にグラデーションを貼り、雲を描きます。
空トーンを貼ると画面にメリハリ(コントラスト)がつき、一気に漫画らしくなります。
※雲ブラシ使用
城部分に加筆をして、立体感をつけていきます。
大まかな線はLT変換されているので、補足する程度に描き足します。
大まかなパーツの輪郭線を太くします。
これだけでかなり漫画らしくなります。
新規レイヤーを作り、ベタ部分にホワイトで斜線をいれていきます。
レイヤーを別にするとやり直しや微調整がしやすくなります。
※手描き風斜線ブラシ使用
さらに影になりそうな場所にも斜線を描き足します。
このように、輪郭線×斜線でとてもカンタンに漫画風の絵になります。
先ほど消した自然物を描き直します。
自然物の描き直しは素材を使えばあっという間に終わります。
※モコモコ葉ブラシ使用
さらに自然物を消し、輪郭線と斜線で各所を修正していきます。
左上からの光源を意識して、影のトーンを貼ります。
クリスタの写真LT変換はシンプルな作画には向きませんが、
リアル寄りの絵には絶大な時間短縮効果があります。
トレースですら数時間かかる描きこみの背景が、たったの50分で完成しました。
クリスタのLT変換は時間と経費を省き、高品質の背景が描けるとても便利な機能です。
使用写真:英国風古城と遺跡
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漫画風に見せる、クリスタ写真LT変換のコツまとめ
・2種類のベタを良いところを合わせる
・手描き風の斜線を加える
・面に影をつける(ベタ貼り多めに)
・大まかな輪郭線を加筆する
・自然物を描き直す
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