顔の描き方はネット上にあふれかえっており、
初心者用の知識でもそれなりの顔は十分に描けてしまいます。
ですがアングルが着くとそうは行きません。
平面の顔は描けても急角度の
アオリ、フカンになると途端にわからなくなります。
私も例に漏れず、描き直しを繰り返すうちに更におかしくなったり、
元のアタリとは似ても似つかないアングルになったりと、
無駄に過ぎていく時間と自分への不甲斐なさに
長年イライラしながら顔を描いていました。
このページではそんなアオリ、フカンに関する悩みをみるみる解消した
頭部のデッサン・構造分析についてご紹介します。
※この講座は2017年に作成したものです。
絵が古くデッサン崩れが目立ちますが修正する時間がないためそのままにしています。
初心者向けの講座としてご参照ください。
目次
デッサンはシルエットから・秘密は頭部にあり
まず何も見ないで適当に顔を描いてみます。
なんとなくそれっぽいですが、
よく見ると耳の位置がバラバラ、頭部も首も安定していません。
いろいろなピースが欠けているので、
角度を変えた時にデッサン狂ってしまうわけです。
ではこれを回避するために、頭部の構造をしっかりとおさらいしていきます。
デッサン狂いの理由は頭部が単純な丸か卵型という思い込みです。
ここではおでこが垂直気味で後頭部が長い欧米人を参照にしており、
多くの漫画キャラがこの形で描かれています。
さらに見ていきます。
細かいようでいて大切なポイントばかりですが、
見落としている人も少なくないはずです。
特に耳は真横に向かって描いてしまいがちです。
自分の顔を鏡で見ながら確認してみましょう。
次はアングルによる変化を見ていきます。
頭部の鬼門・アングルで形が変化する
頭部は単純な丸ではないので
アングル次第で後頭部と耳の形はここまで変化します。
顔はアゴと首のつなぎ目、後頭部は首の筋肉(僧帽筋)が肝になります。
アオリの顔では必ずアゴが見えるので、アゴを描かないだけで、
首がとても不安定に見えてしまうのです。
人体の身体は全てのパーツが連結して動作しており、
単品パーツだけ覚えても自然なデッサンはできません。
顔と首がどうやって繋がっているかわかるだけでも、
デッサンが格段に安定するのでしっかり覚えておきましょう。
・アオリの特徴まとめ・
・耳は正面を向くにつれ先端が丸くなる。
・耳の位置は正面を向くごとに、角度がつくごとに下がる。
・角度がつくごとにアゴの面積が広がり、上部のパーツは圧縮される
・正面を向くごとに、角度がつくごとに、アゴの中央の形が凸る。
・後ろから見た頭部は角度がつくごとに背中に隠れて見えなくなる。
それでは次にフカンを見ていきましょう。
・フカンの特徴まとめ・
・耳のラインは横を向くにつれ水平になる。
・耳の位置は正面を向くごとに、角度がつくごとに上がる。
・角度がつくごとに頭頂部の面積が広がり、下部のパーツは圧縮される
・角度がつくごとにアゴの先端はシャープになる。
・顔の輪郭は横向きほど横方向に緩やか、正面を向くごとにシャープな縦ラインになる。
・後ろから見た頭部は角度がつくごとに首の付け根が隠れ、見えなくなる。
パースで捉えるフカンの描き方
それでは頭の描き方の手順を追っていきますが、
その前の頭部の構造をおさらいします。
この目安の構造をしっかり頭に入れてデッサンをとりましょう。
円の大きさと傾きはアングルと共に変化します。
逆向きを描くときは円の形と向きを左右反転しましょう。
キャラを描いてみて、頭部が長すぎたら削ってOK。
耳の位置も適宜調整します。
このように緩めのフカンは当たりをきちんと取れば大体描けますが、
問題は急角度のフカンです。
急角度のフカンにはパースが強くそこそこのデッサン経験と
パースの知識が必要です。
ここではパースを使って製図的に強いフカン顔が
描けてしまう方法をご紹介します。
最初にフカン時に見える顔の部位を頭に入れていきましょう。
強いフカンはパースのついた箱を描くのに似ているため、
顔面と頭部の側面を分けるラインがこの手法のポイントです。
さらに顔パーツの見え方も頭に入れます。
それでは手順を追っていきます。
子供の例
続いてあまり目立ちませんが、
こちらも角度がつくと難しいフカンの後頭部の描き方です。
こんなにアタリを取るのは面倒だな…と感じるかもしれませんが、
アタリをしっかり描くには2つ理由があります。
一つはアタリのヒントを元にパーツの位置関係を探れること。
もう一つはシルエットに慣れることです。
例えば「アオリのときは耳が下がる」という基本知識だけでは
じゃあどの位置に?となった時にカンに頼るしかありません。
ですが当たりを取れば100%正しい…とまでは行かずとも、
不自然な位置に描くことはなくなるでしょう。
基本知識だけでも顔は描けますが、
構造と法則を基にしたアタリで頭部の傾き、耳の位置、アゴや首の見え方を
自力で探れるだけで多彩なアングルを高い精度、しかもハイスピードで
描けるようになるのです。
そしてアタリをとって正しいシルエットに慣れると
脳がそれを覚えてくれ、アタリ無しでも正しいラインを
素早く描けるようになります。
アオリの描き方
アオリの後頭部はたいていの場合髪で隠れますが、
髪を結ったキャラの襟足やスキンヘッドキャラが映える
地味に重要なフェチポイントです。
アオリ、フカンは平面と違って完全な立体物なので、
顔の立体感やパース感覚が既にある中級者向きです。
特に超アオリは本当に狭い面積で顔の立体表現をしなければならず、
絶妙な曲線を操る技術も必要になってきます。
慣れないうちはまず軽めのアオリを、
顔の凹凸、構造理解を深めてから超アオリへとステップを踏むのが無難です。
アオリの首がおかしな理由と対処法も合わせてご参照ください。
顔パーツ・それぞれの立体と見え方
アタリで頭部のデッサンが取れたら次は顔パーツの配置です。
顔パーツの配置にもアタリが役に立ちますが、
そのまま配置して失敗するケースは少なくありません。
顔のパーツそれぞれには独自の立体があり、
それを考えられるかどうかが大きなポイントです。
目、眉、口の配置はアングルに沿ったガイドラインを引いて目安に。
目に物を言わせる・目の表情の描き方もご参照ください。
フカン時の口
年齢、性別を描き分ける
年齢、性別の描き分けは同じアタリから行えます。
押さえるコツは以下のとおり
『女性・子供』
・アゴと鼻を短く ・首を細く ・ほっぺとおでこを丸く
『男性』
・輪郭と鼻を長く ・輪郭とアゴ、おでこを四角く ・首を太く
※この講座は2017年に作成したものです。
絵が古くデッサン崩れが目立ちますが修正する時間がないためそのままにしています。
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